豆瓣
About me
中川正道。四川省公認の四川料理の専門家、麻辣連盟総裁、時色株式会社代表。2002~2006年まで四川省に滞在、四川料理に魅了される。2012年に単身、四川省へ行き、四川の仲間たちと200店舗の四川料理店を食べ歩き「おいしい四川」サイトをリリース。2014年夏に日本初!四川料理食べ歩きガイドブック「涙を流して口から火をふく、四川料理の旅」を出版。2日間で6.5万人を動員した四川フェス主催。得意技は四川料理、デザイン、巻き込み力。


 

少し前になりますが、テレビ朝日の方から、以下の質問が寄せられました。

 

質問

 

四川で三大豆板醤と言われるものの中に ピーシェン豆板醤 という種類のものは入っているか?

 

回答

 

まず三大豆板醤(以後、豆瓣醤と記載)というものは四川にありません。

念のため、複数の四川の知人に聞きましたが、誰も聞いたこともない…とのこと。

 

もしかして、中国版Wikipediaの百度百科に記載されている以下の記述からのご質問でしょうか。

 

豆瓣 (川菜调料) http://baike.baidu.com/subview/671056/671056.htm

四川三大“豆瓣”

1、郫县豆瓣—-成都市郫县

2、臨江寺豆瓣—-資陽市雁江区

3、美楽香辣醤—-自貢市富順県

 

もしそうであれば「2、臨江寺豆瓣」は特に有名でも何でもありません。

多分、臨江寺豆瓣を販売している会社の誰かが記載したのでは?と思われます。

共著者の張勇にも確認しましたが、特に聞いたこともないと。

 

美乐香辣酱
「3、美乐香辣酱」は自貢市の富順県の名物料理:富順豆花(おぼろ豆腐)を食べる時によく使うタレです。

※こちら豆瓣醤とは違うものです、用途も異なる。

 

四川の豆瓣醤で一番有名で一番使われているのが、郫县豆瓣(ピーシェンドウバン)です。

四川省の省都成都市郊外の郫县という場所で作られています。

鹃成牌郫县豆瓣 (約10元)

鹃成牌郫县豆瓣 (約10元)

郫筒 红油郫县豆瓣(約7元)

郫筒 红油郫县豆瓣(約7元)

 

 

また一般的な家庭では自家製の豆瓣醤を使います。

大体夏ごろに仕込み、発酵させます。

 

“川菜之魂” 郫县豆瓣  –  郫县豆瓣醤は四川料理の魂、これを使わないと四川料理とは言えません。

 

まとめ

 

四川三大豆瓣醤というのは存在しないですね。

 

ただ成都市郊外の資陽市で作られた臨江寺豆瓣は珍しいので、

今度、成都へ行った際には手に入れてみます!

 

※補足 福岡・巴蜀の荻野さんより

日本の研究書にある四川の有名豆瓣酱としては以下の八種の記載があります。

四川郫县豆瓣酱(軽工業部優秀賞1985)
红双豆瓣酱(四川省優秀品1991)
眉山豆瓣酱
临江寺金鈎豆瓣酱(四川省優秀品1982)
山城牌金钩豆瓣酱(国家優秀品1981)
涂山牌香油豆瓣酱(政府商業局優秀品1984)
天车牌芝麻豆瓣酱(四川省優秀品1988)
长春号杏仁豆瓣酱(パナマ博覧会金賞1882)

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中川正道
中川正道、1978年島根県生まれ。四川師範大学にて留学。四年間四川省に滞在し、四川料理の魅力にはまる。2012年にドイツへ移住。0からWEBデザインを勉強し、フリーのデザイナーとしてドイツで起業。2017年に日本へ帰国。「人生の時を色どる体験をつくる」をテーマに妻の中川チカと時色 TOKiiRO 株式会社を設立。
四川料理マニアたちがつくる四川料理の祭典「四川フェス」主催。過去動員数累計24.5万人。四川料理、しびれ、麻辣、マー活ブームに火をつけ中華業界を盛り上げる。